あらすじ/作品レビュー
ロックバンドで成功することを夢見て友人のところに居候しているデューイは、友だちに家賃をせがまれ、お金欲しさに名門の小学校で、名前を偽って臨時教員の振りをして小学生達を教えることになる。最初は怠けながらお給料だけもらうつもりだったが、担当のクラスの生徒たちの音楽の才能を見いだしたデューイは、子供たちにロックの素晴らしさを教えよう!と思いつく。ところが、両親達は自分の子供の音楽の才能に気がつかず、苦手な分野の勉強を押し付けてきたため、子供達は皆、自信を無くしてしまっている。そこでデューイは、生徒たちをロックバンドのコンテストに出場させて、自分たちがどれほど素晴らしいのか発見させようと頑張る。
可愛い10歳くらいの子役たちが、ベースやリードギター、ドラム、キーボード、バックコーラスを一生懸命やっている姿は、大人の観客達を簡単に感動させるいい手だと思った。以前上演されたミュージカル『13』は、年齢がこの作品よりちょっと上の中学生を扱っていたからだろうか、もう少し生意気な雰囲気を出していたので、今、考えるといい作品だったのに成功しなかったのは、そこら辺もあるのかもしれない。小学生後半の可愛い子供たちに、観客は心を射止められていた。
リードギターの子のエレキギターの上手さは、さすがブロードウェイ、良くこんな子見つけたなと思うが、キーボードやドラムやベースは、この位なら結構いそうだな、と思う位で多少残念だった。ブロードウェイに出演する子役たちの中には、地方に家族を置いて、お母さんだけと一緒にニューヨークに移り住んで、その子の夢を実現させるための家族の犠牲は、かなり大きなものだ。
しかし、知り合いでミュージカル『王様と私』に出演している女性から聞いたのだが、子役は背が少し高くなると役がつとまらなくなるので辞めさせられるらしい。確かに7歳の役が一見12歳に見えてしまう様になったら、どうしようもない。
30歳の役を50歳の俳優達がこなしているのとは違う。彼女曰く、先週も大勢いる王様の妾の子供たちの1人が、背が高くなってしまったので辞めることになったらしい。
アンナ先生と子どもたちが心を通わせる有名な劇中歌「Getting To Know You(仲よくしましょう)」が歌われる楽しい場面で、ずっと舞台を一緒にやってきたその子のことを知る事ができたのに…、という気持ちが「Getting to know you」の歌詞の内容と一緒になってしまい、全員がもらい泣きしてしまったそう。「皆、歌いながら泣いちゃって、近くの観客は、何故皆この楽しい歌で、こんなに悲しそうなんだろう?と思っていたと思う!」と話していた。
まだ開幕して間もない『スクール・オブ・ロック』だが、数か月後にはこれと似たような光景が窺えるのかもしれない。)
Winter Garden Theatre
1634 Broadway
New York, New York 10019
尺:2時間20分(15分の休憩含む)
舞台セット ★★★☆☆
作詞作曲 ★★★★☆
振り付け ★★★☆☆
衣装 ★★★☆☆
照明 ★★★☆☆
総合 ★★★☆☆
Photo©Matthew Murphy
Photo©Matthew Murphy
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