Broadway Square

Cambodian Rock Band カンボジアン・ロック・バンド

本作品は、1975年から1979年までの4年間で100万~170万人もの死者を出したと言われる、カンボジアの悲劇を描いたミュージカルだ。1975年初頭、共産主義の一派であったクメール・ルージュ運動は好意的に海外に紹介された為、自由で平和な国が造られるならばと各国から応援に駆け付けた知識人は少なくなかった。しかし蓋を開けたらとんでもなかった。ポルポト独裁政権は、強制的に都市部の住民を農村部へ移動し、粛清や拷問、医学実験を組織的、効率的に行ない、多くの国民が死亡または行方不明となっていく。たとえば強制収容所S-21には、3年弱の間に14,000~20,000人が収容されたが、最後に生き残ったのは僅か7人だけだったと言われている。その悲劇から40年が経ち、事件そのものを知らないか、あるいは記憶のかなたに置いてきた方も多いだろう。だがこの機会に、アジアで起きたポルポト率いるクメールルージュの大虐殺...[Read More]

Our Dear Dead Drug Lord 私たちの親愛なる故麻薬王

オフ・ブロードウェイのWomen’s Project Theater ( 女性プロジェクト・シアター)は、女性が創作した作品を多く取り上げることで知られている。今回紹介するダーク・コメディ『Our Dear Dead Drug Lord 』も女性が脚本、演出をしていて、主演する高校生4人も女性だ。この作品は評判を呼び、3回も上演期間が延長された。

West Side Story ウエスト・サイド物語

1957年当時のミュージカルと言えば、楽しい気分で素直に笑えるエンタテイメントだった。そこに社会的テーマを扱って登場したのが、後にブロードウェイの金字塔となる『ウェスト・サイド物語』だ。そこでは殺害の加害者と被害者、またその仲間たちの相克が繰り広げられ、当時の常識では考えられない深刻な問題提起が含まれていた。果たして観客はそんなミュージカルを受け入れるのか。ワシントンDCでのトライアルによる初演が粛々と進む中、静まり返った観客の様子を緊張して窺う4人の制作者たちがいた。今では巨匠となったアーサー・ローレンツ(脚本)、レナード・バーンスタイン(作曲)、ジェローム・ロビンズ(振り付け)、スチーブン・ソンドハイム(作詞)である。 彼らには観客が戸惑っているように見えたに違いない。だがしかし、今では誰もが知っているナンバー「アメリカ」が終わるやいなや一斉に劇場は歓声に包まれたのだった。翌日のワシン...[Read More]

復活を期して休むブロードウェイ 〜コロナ感染の中、ニューヨークの行方〜

コロナ感染の状況は毎日変化する。新型コロナウイルスの世界的な感染爆発により、ブロードウェイは3月12日から約1ヶ月の全公演が停止を発表したが、4月8日、それを更に約2ヶ月先の6月7日までに延期した 。 そこでこの影響の大きさを解説する前に、少し振り返って今回のブロードウェイでの動きをなぞってみる。 ニューヨーク州のクオモ知事は、高齢者と旅行者が多いブロードウェイの観客に感染が拡大することを懸念し、3月12日(木)の午後、翌日からの500名以上の集会禁止を発表した。この12日がマチネ公演だった『ムーランルージュ!』のキャストに、数日前より風邪の症状を示す者がいたこともあり、事態を重くみていたブロードウェイ運営側は、翌日を待たずに全公演停止を決めた。 当時ブロードウェイで上演されていたのは、31の演劇とミュージカル。これらがすべて公演停止となったわけだが、準備中の16作品も中止となった。うち既...[Read More]

A Soldier’s Play ソルジャーズ・プレイ

1982年にピューリッツァー戯曲部門賞を受賞した『A Soldier’s Play』が、ブロードウェイでは初めて演じられている。 作品の舞台は1944年の米国南部の陸軍基地で、黒人軍曹のウォーターズが殺害され、遺体で発見されたのが起点となっている。その為この基地に派遣されてきたのは、特別捜査官ダヴェンポート大尉だった。大尉という階級をもつ黒人は、当時では珍しかった為、部隊内の白人達は冷やかに彼に接する。それに対して黒人兵は、白人によるリンチであるとの確信を彼に訴える。ダヴェンポート大尉は、両者の間で冷静に捜査を進めていくのだった。

Emojiland エモジランド

2018年と2019年と立て続けにクールジャパンな出来事がニューヨーク演劇界であった。ブロードウェイで幕を開けたミュージカル『ミーン・ガールズ』と『ビー・モア・チル』の劇中で日本発祥の絵文字が取り上げられ重要な役割を果たしたのだ。そして2020年を迎え、今度はオフ・ブロードウェイで絵文字が主役のミュージカル『エモジランド』が開幕、期間限定の公演を延長するほどの人気を博している。

My Name Is Lucy Barton 私の名前はルーシー・バートン

一人の女性が、9週間の入院をきっかけに自分を発見し、次第に自身を受け入れていく姿を綴った2016年の小説「 私の名前はルーシー・バートン」を舞台化した戯曲。ロンドンのウェスト・エンドのオフで、テレビや映画でも活躍する女優ローラ・リニーが独演し、高い評価を得てブロードウェイで開幕した。

SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー

クリスマスの賑わいも過ぎ、新しい年を迎え、去年のブロードウェイ収益データが出揃った。全作品の総利益はおよそ1932億円で、2018年と比べると、3.7%の減収となっている。その理由としては、去年は今ひとつ話題作が少なく、需給状況に応じて価格を変動させている切符の値段がそこまで高くならなかったこと、又、早い内に千秋楽を余儀なくされた作品も多かったからだろう。集客率の方は、2019年が90.51% と、ブロードウェイ史上最高の観客動員数の多い年でもあった。ちなみに、毎年一番収益の上がるクリスマスの週の利益は61億円で、35万人が平均1万7500円の切符を購入して観劇したことになる。

Jagged Little Pills ジャゲッド・リトル・ピル

去年成功裏に終演を迎えたジューク・ボックス・ミュージカルが、ボストンからやってきた。グラミー賞を7回 受賞しているシンガーソングライター、アラニス・モリセットのヒット22曲が散りばめられた作品だ。代表アルバム『Jagged Little Pill』から12曲が歌われ、そのアルバムタイトルがこのミュージカルの題名となっている。直訳すると『ギザギザの小さい薬』となるが、このタイトルのように、彼女の歌は人の注意を誘う不思議な力を持つことで知られている。とは言え、ストーリーとしては「ギザギザ」なところはない。ジューク・ボックス・ミュージカルは、ともすると歌の内容にストーリーを合わせようとして、流れがギクシャクしてしまいがちだ。だがこの作品は、どのシーンも歌とストーリーがピッタリと合っている。おかげでこちらも両者を相乗して楽しめる。

Height of the storm, The ハイツ・オブ・ザ・ストーム

脚本家フロリアン・ゼレールは謎めいた作風で知られているが、この作品も例外ではない。

Tina: The Tina Tuner Musical ティナ・ターナー・ミュージカル

ロンドン、ウェスト・エンドで昨年(2018年)4月からスタートし、今、最も人気な作品が、ブロードウェイでもオープンした。「ロックンロールの女王」とも呼ばれるティナ・ターナーにスポットライトを当てたジュークボックス・ミュージカル『Tina:The Tina Tuner Musical』だ。

Lightning Thief, The: The Percy Jackson Musical 盗まれた雷撃:パーシー・ジャクソン ミュージカル

リック・ライアダンによって2005年から上梓が始まったパーシー・ジャクソン・シリーズは、現在42カ国語に翻訳され、トータル1.75億部も販売されたベストセラー作品だ。そのシリーズの第1作目『盗まれた雷撃』は、ニューヨーク・タイムズ紙の児童書シリーズ部門ベスト10に、500週を超えて入り続けた輝かしい記録を持っている。その『盗まれた雷撃』を舞台化した作品を、今回は紹介する。

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