Apple TV+で日本でも配信された、2021年(シーズン1)、2023年(シーズン2)のミュージカル・コメディシリーズを基にした舞台ミュージカル。2025年にワシントンD.C.のケネディ・センターで初演され、2026年にブロードウェイへ進出した。舞台版はテレビ版シーズン1を約2時間半に凝縮した構成で、テレビ版の楽曲の多くに加え、未使用曲や新曲も盛り込まれている。 黄金時代のブロードウェイ・ミュージカルを愛情たっぷりにパロディ化した世界観はそのまま舞台に受け継がれており、テレビシリーズのファンにとっては待望の舞台化作品と言えるだろう。アンサンブルも豪華で、舞台装置も華やか。「今まさにミュージカルを観ている」という高揚感を存分に味わわせてくれる。 2026年5月15日現在、トニー賞では、ミュージカル作品賞、脚本賞、作詞・作曲賞、ミュージカル主演女優賞、ミュージカル助演女優賞、振付賞、演...[Read More]
実在の事件を基にした作品で、タイトルになっているケン・レックス・マクロイ(1934–1981)が窃盗、脅迫、暴行、誘拐、動物虐待など数々の犯罪を繰り返し、長年にわたりある田舎町を恐怖に晒した様子を描く音楽付きの犯罪スリラー劇である。 イギリスの男優ジャック・ホールデンが約35人のキャラクターを演じ分ける一人芝居で、イギリスの地方劇場やオフ・ウェストエンドで完売公演を記録した。2026年4月に行われたローレンス・オリヴィエ賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、最優秀男優賞と最優秀音響デザイン賞を受賞している。
アイリス・レイナー・ダートによる1985年のベストセラー小説(『フォーエバー・フレンズ』と、ベット・ミドラーとバーバラ・ハーシーが主演して大ヒットした1988年の映画を基にした新作ミュージカルである。陽気で派手好き、ショービズ界を目指すシーシー・ブルームと、知性的で上品なロバータ・ホワイト(愛称バーティ)の友情を描いた物語だ。 二人は幼少期にアトランティック・シティの浜辺で出会い、文通友達からルームメイト、そして生涯の親友へと関係を深めていく。恋愛、結婚、離婚、出産、成功と挫折など、約30年にわたる人生の軌跡を、笑いと涙を交えて描いた作品である。
『Titanic』ではなく『Titanique』とフランス語風にしているところが味噌の本作は、1997年のブロードウェイ・ミュージカル『タイタニック』とは別物であり、ジェームズ・キャメロン監督による同年の映画『タイタニック』をパロディ化したコミカルなジュークボックス・ミュージカルである。 本作は、セリーヌ・ディオンの主題歌『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』や『愛の記憶』などのヒット曲を含む約20曲を用い、再解釈・編曲された楽曲がソロ、デュエット、アンサンブルで歌われ,コミカル、かつエネルギッシュなアレンジが施されている。 ストーリーは、セリーヌ・ディオンが現代のタイタニック博物館のツアーに乱入し、自らが沈没事故の生存者であると主張するところから始まって、ジャックとローズの恋愛を誇張とユーモアによって再構築していくという設定だ。
旧約聖書の出エジプトを意味する“Exodus(エクソダス)”と、“Mexico(メキシコ)”を掛け合わせた造語がタイトルの“Mexodus(メクソダス)”。 オフ・ブロードウェイの劇場で上演され、メディアから高く評価された新感覚のヒップホップ・ミュージカルだ。
アルコール依存、記憶障害(認知症)、そして脳の「認知予備力(Cognitive Reserve)」といった科学的な要素も含めて、家族の物語に織り込んだ作品である。 祖父母と孫の関係性の温かさや台本のユーモアが好評を博し 2025年にデンバーで初演された後、アトランタ、ロサンゼルスを経て、オフ・ブロードウェイでの上演に至った。依存症/回復というテーマと世代を超えた絆を軸に、リアルで共感性の高い描写が際立っている。
このミュージカル・コメディは、2005年にオフ・ブロードウェイで初演され、その成功を受けて同年ブロードウェイへ移行した。第59回トニー賞で6部門にノミネートされ、脚本賞(レイチェル・シェインキン)と助演男優賞(ダン・フォグラー)の2部門を受賞している。 今回のプロダクションは、約20年ぶりとなるオフ・ブロードウェイでのリバイバルである。2024年にワシントンD.C.のケネディ・センターで上演され好評を博し、そのキャストを中心にニューヨークへと移行した。 物語は、ニューヨーク近郊にある架空の公立中学校の体育館で開催されるスペリング大会を舞台に、6人の個性豊かな中学生たちが優勝を目指して競い合う姿を描く。不器用でどこか気まずい、けれど真っ直ぐな彼らの姿が、ユーモアと温かさに包まれて描かれる。
「ワン・ナイト・イン・バンコク」という世界的ヒット曲を生んだ 『チェス』が、1988年以来初めてブロードウェイでリバイバルを迎えた。 ティム・ライスの原案と作詞、ABBAの ベニー・アンダーソン と ビョルン・ウルヴァース が作曲・作詞を手がけたポップロック・ミュージカルで、愛、忠誠、政治的操作、そして「個人 vs 国家」というテーマが、チェスをメタファーとして用いながら、勝敗を超えた人間ドラマとして描かれる。 舞台は、1979年頃から1980年代初頭、冷戦時代に行われたチェス選手権で、決勝戦に残った米国とソ連の代表者と、彼らの間に挟まれた女性との三角関係を背景に、国家の威信、CIAやKGBの陰謀、亡命なども織り込まれ、チェス試合が男同士の対決、そして代理の冷戦戦争として描かれていく。 『春の目覚め』でトニー賞を受賞した演出家 マイケル・メイヤー と、エミー賞受賞作家 ダニー・ストロ...[Read More]
『The Seat of Our Pants*』は、イーサン・リプトンが、80年以上前に発表されていた『The Skin of Our Teeth(首の皮一枚で助かる)』を現代風に脚色し、ミュージカル化した新作である。演出は、イーサンと長年にわたり協働を重ねてきた演出家リー・シルバーマンが務めた。 5000年にわたる人類の存亡を描く風刺劇で、アントロバス家族が氷河期、大洪水、戦争という3つの終末的災害から、かろうじて生き延びるさまが、ユーモアと絶望で描かれている。作品はメタシアター的な要素を含んだコメディで、自己言及的な笑いを特徴としている。 開幕から約2週間時点で興行収入は150万ドル、平均稼働率85%を記録し、11月30日の千秋楽は人気を受けて12月7日まで延長された。
桂サンシャインは、2016年にセントラル・パークで開催された「ジャパン・デー」にゲスト出演し、観客を大笑いさせて拍手喝采を受けていたのを覚えている。屋外の開放的な空間で、しかも立ち見の観客が多い中、彼は大勢の観衆の集中を最後まで保ち続けていた。その後も世界各地を巡る機会を増やし、落語という形式を国境を越えて英語で紹介し続けてきた。そして、ここ数年は、ほぼ毎月一度のペースでアメリカを訪れ、ニューヨークのオフ・ブロードウェイ劇場で舞台に立っている。 桂サンシャインは、落語史において極めて特異な位置を占める存在だろう。外国人として史上二人目の真打であり、しかもこの100年ほどの間で誕生した唯一の例だという。そして、彼の落語は、「異文化紹介」や「エキゾチックな伝統芸能」として消費されがちなこの語りの芸を、現在進行形のものとして、海外の観客にも親しまれる演劇表現として提示している。
戯曲『ART』はトニー賞最優秀戯曲賞を受賞した名作コメディであり、本公演は1998年以来となる初のブロードウェイ・リバイバルである。 フランスを代表する現代劇作家ヤスミナ・レザによって書かれた作品だが、何と言っても今回最大の注目点は主演の3人だろう。ニール・パトリック・ハリス、ボビー・カナヴェイル、ジェームズ・コーデンという有名スター3人が揃って主演することが、5月に発表された同時にチケットは即完売した。 2025年12月初旬時点で興行収入1,950万ドル超、平均稼働率98.68%を記録し、限定公演ながら2026年トニー賞の最有力候補と目されている。
米国の地方劇場を代表する存在として有名なシカゴのステッペンウルフ劇場が、多くの賞を受賞してきた女優ローリー・メトカーフのために、COVIDの中、特別に委嘱した戯曲。長年離れて暮らして疎遠になっていた叔母と甥の間の感情のすれ違いや距離感が、時間とともに変化していく過程が丁寧に描かれている。 マッカーサー天才賞受賞劇作家で、今までオフ・ブロードウェイやリージョナル・シアターで評価を確立してきたサミュエル・D・ハンターのブロードウェイ・デビュー作だ。 2024年6月にシカゴで初演されると「痛々しいほど美しい」「ローリーのキャリア最高傑作」と批評家らに絶賛され、2025年秋、満を持してブロードウェイにやってきた。 全キャスト4人はそのままシカゴから移動しており、限定19週間公演の予定だが、現在2025年12月6日時点、興行収入330万ドル超、平均稼働率79%を記録し、今シーズン2025−20...[Read More]