6月には、トニー賞授賞式をもってブロードウェイはシーズンを締めくくり、今度はオフ・ブロードウェイの小劇場で様々な舞台が幕を開き、ニューヨーク演劇界の夏が本格化する。やっと劇場の感染対策の規制は緩和され、ワクチン接種証明の提示やマスク着用義務の撤廃も進んで、パンデミック前の状態に近い夏を久々に迎えてい...[Read More]
『ゴドーを待ちながら』で知られるノーベル賞作家サミュエル・ベケットによる1957年の不条理劇『エンドゲーム』が、オフ・ブロードウェイで演じられ賞賛された。題目の『エンドゲーム』は、チェス用語で使われる『終盤戦』のことらしい。
ミュージカル界の巨匠ソンドハイムの『Merrily We Roll Along』(愉快に転がろう)は、不思議な歌の魅力なのだろうか、何度もリバイバルされてきた。しかしその度に失敗を繰り返し、彼の作品中一番の失敗作と言われてきた。なぜ不評だったのか、なぞ解きをするドキュメンタリーまで制作されたほどだ。...[Read More]
このアメリカ人脚本家グレーシー・ガードナーGRACIE GARDNERはブルックリン生まれで、まだ若いが多くの小さな賞を受けており将来有望と言われている。 劇に登場するのは、皮膚癌専門の医師と、研修医1人。および6、7人の患者らとなる。そして舞台は、医師が運営する医療クリニックの待合室となっている...[Read More]
人気小説家のジョディ・ピコーと当時まだティーンエイジャーだった娘のサマンサ・バン・リアーが、青少年を対象に書いた小説を原作としてミュージカルに仕立て上げたのが本作品となる(題名は同じ)。脚本を手掛けたのは子供向けの話を舞台化することで腕を奮ってきたチモシー・アレン・マクドナルド。監督はデズニーのミュ...[Read More]
2013年にベスト・ミュージカルも含めて6部門で受賞したミュージカル『キンキー・ブーツ』が、8月にオフ・ブロードウェイでスタートした。シンディー・ローパーの作詞作曲、ハーヴェイ・ファイアスタインの脚本になる。オンでは6年間約2500回以上の公演を続けたうえ世界ツアーも行い、日本では故三浦春馬がローラ...[Read More]
自由の女神が一望できるマンハッタンの南端に位置するユダヤ人遺産博物劇場で3月下旬から上演されているのが、新作ミュージカル『ハーモニー』だ。1960年代から今日まで活動を続け「哀しみのマンディ」を始めとする多くのメガヒット曲で知られる歌手バリー・マニロウが作曲を手掛けていて、この春のニューヨーク演劇界...[Read More]
NYタイムズ紙が劇評家の推奨作品に選出し、タイムアウト誌が2021年の新作ミュージカルのベストと称え注目を集めた作品。通常の4~5倍の速さで老いていく平均寿命が16歳という早老症の病を抱えた女子高生キンバリー・レヴァーコのストーリーだ。
ずいぶん昔の話になるが第一次世界大戦の傷跡さめやらぬパリに、あるユダヤ人※1がピアノの店を開いた。それは1920年のことで、閉店が決まるのは2016年なので、実に96年間の長きに渡り、世代を重ねて繰り広げられるユダヤ人一族の話が、今回紹介する作品になる。ナチスからの迫害、フランス人からの冷遇を乗り越...[Read More]
本作品は、1975年から1979年までの4年間で100万~170万人もの死者を出したと言われる、カンボジアの悲劇を描いたミュージカルだ。1975年初頭、共産主義の一派であったクメール・ルージュ運動は好意的に海外に紹介された為、自由で平和な国が造られるならばと各国から応援に駆け付けた知識人は少なくなか...[Read More]
オフ・ブロードウェイのWomen’s Project Theater ( 女性プロジェクト・シアター)は、女性が創作した作品を多く取り上げることで知られている。今回紹介するダーク・コメディ『Our Dear Dead Drug Lord 』も女性が脚本、演出をしていて、主演する高校生4人も女性だ。こ...[Read More]
2018年と2019年と立て続けにクールジャパンな出来事がニューヨーク演劇界であった。ブロードウェイで幕を開けたミュージカル『ミーン・ガールズ』と『ビー・モア・チル』の劇中で日本発祥の絵文字が取り上げられ重要な役割を果たしたのだ。そして2020年を迎え、今度はオフ・ブロードウェイで絵文字が主役のミュ...[Read More]