メリリー・ウィー・ロール・アロング
あらすじ&コメント
1934年に上演されたジョージ・S・カウフマンとモス・ハートによる戯曲が原作。『メリリー・ウィー・ロール・アロング』1981年以来、一度シティー・センターで上演されたが、ブロードウェイで再演されることはなかった。それが今回オフ・ブロードウェイで上演されたので、急いで切符を手に入れた。
舞台設定は1970年代半ばからスタートする。ハリウッドのプロデューサー、フランクが皆と成功のお祝いをしている。そこから舞台は過去を振り返っていく。 1957年、 フランクは名もない作曲家だったが、親友の作詞家チャーリーと作家のメアリー3人で世界を変えるような舞台作品を作ろうと、手と手を取り合って夜空に向かって誓う。そして、フランクは結婚して、子供も生まれる。仕事が次第に入ってくる様になるフランク。家にも戻らないことが多くなり、女優との浮気をし、下済み時代に苦労をかけた妻とも離婚してしまう。多忙を極めるフランクには、もうチャーリーやメグなど親しかった友人と会う時間もない。 彼は作曲家からハリウッドのプロデューサーに転身していく。最後にフランクは名声、富、成功を手にしたが、大切なものをどこかに捨ててきてしまったことに気づく。『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の訳「私たちは楽しく一緒に前に進む」には、皮肉が込められている。
フランク役の Ben Steinfeldは綺麗な声で、チャーリー役のManu Narayanもブロードウェイで主演を演じた経験もあり、どちらも聴きごたえがある。主演と助演の女優の力量は、残念ながら期待したほどではなかったが、大人数のキャストでの踊りあり、豪華で華やかな場面もあり、舞台セットも手が込んでいて、期待は裏切られず十分満足できる作品となっていた。何よりソンドハイムの美しい曲を生で聴けるという贅沢さ。特にフランクの妻が結婚と離婚する時に歌う「Not a Day Goes By (訳:そう思わない日はない)」は、力量ある多くの女性歌手が独演会などで歌われ、何度聴いても感動する名曲だ。
今回は限定公演だった為、既にクローズしてしまったが、いつかブロードウェイで再演して欲しいものだ。
2/21/19
上演終了:4月7日2019年
Laura Pels Theater at the Harold and Miriam Steinberg Center for Theatre
111 W. 46th St.
上演時間:1時間45分
Photo by Joan Marcus 2019
Photo by Joan Marcus 2019
Photo by Joan Marcus 2019
Photo by Joan Marcus 2019
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