プライバシー PRIVACY(上演終了)
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上のテーマと並行して流れる脇筋は、人間の心の壁について。 映画『ハリー・ポッター』シリーズで有名なダニエル・ラドクリフが演じる主人公の恋人は、彼が「心を開けてくれない。壁を感じる」と彼に伝えて、彼の元から去っていく。 孤独な彼は、他人に心を開く意味を見つけるために、人がたくさんいるニューヨークにやって来るが・・・。
この作品は、個人情報を脅かす今の社会と、 愛している人に自分の心を壁なく開く意味、という二つのテーマが併行して走っている。それぞれは面白いのだが、片方は社会、片方は心理の課題だからだろうなのか、それとも単に脚本が彫り込まれていないからなのか、その二つの課題が絡み会えずに、最後まで空回りしていた。 他人の個人情報というものが これだけ知り得る時代だと効果的に示しており、その点で話題性のある作品だ。しかしこういう個人情報流出が怖いなら、何も自分の情報を出さなければいいのだし、、、 などと思う私は甘いのだろうか・・・。
ダニエル・ラドクリフはいい俳優だ。 舞台版『ハリー・ポッター』(邦題:『ハリー・ポッターと呪いの子』)は、現在ロンドンで上演されているが、ブロードウェイ上演が噂になっている。父親となったハリーと、その次男の物語が、もしブロードウェイ化されたら、 ダニエル・ラドクリが出るのかどうか、気になるところだ。
Public Theatre
425 Lafayette Street
尺:2時間30分(15分の休憩含む)
舞台セット ★★★★☆
衣装 ★★★★☆
照明 ★★★★☆
総合 ★★★★☆
©Joan Marcus
©Joan Marcus
©Joan Marcus