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ある日、ニーナはスターバックスで倍以上年上で高校の教師をしているフィリップに出会う。ナイーブで自信のない彼女に励ましの言葉をかけてくれた彼に、心惹かれるニーナ。彼はニーナのマンションに来るようになり、宿題を手伝ってくれながら、いかにニーナが素晴らしい人間なのかを説いてくれる。
そんなフィリップに年の差も気にせず夢中になるニーナだが、彼はそんな彼女を抱こうとはしない。一方、リズは今まで全くモテなかったニーナにそこまで優しくするフィリップを鬱陶しく感じ、疑っている。そして他の州で未成年の娘と性行為をして刑を受けた彼の過去を探り出す。ある日リズは本性を暴いてやろうと、彼を性的に口説いていいよる。彼女を抱こうとするフィリップ。
彼には裏心があったのだろうか、なかったのだろうか。何が正しいのか、何が間違っているのか、どこまで安全(Safe)で、危険はどうやって忍び込んでくるのか…。
幾つか賞を受けているペニー・ジャクソンによるこのオフ・ブロードウェイの戯曲は、最後まで緊迫感を感じさせる。俳優は3人とも名前を聞いたことがなかったのだが、皆素晴らしかった。フィリップ役のニック・パレディーノは、最後まで彼が本当のプレデターなのか単なる心優しいながらも弱い人間なのか、本心なのか、糸があるのか、観客にはわからない。ニーナ役のデビー・ブランドはあの若さで、技量と余裕を感じる。
リズ役のジル・シャックナーは美しく、激しさの中の壊れそうな娘を見事に演じている。
このオフ・ブロードウェイの劇場は客席が舞台と床続きだったので、リズが薄着姿で目の前に横たわると、その美しさに見入ってしまって、気がついたら台詞を全然聴いていなかった。もっと立派な劇場に相応しい作品だったと思う。
Theatre at the 14th Street Y
344 East 14th Street
尺:90分。 休憩なし
舞台セット ★★★★☆
衣装 ★★★★☆
照明 ★★★☆☆
©Jenny Sharp
©Jenny Sharp
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