Fun Home(上演終了)
作品紹介とあらすじ
(注:ネタバレあり)
元々はアリソン・ベクデルが2006年に出したベストセラー自叙伝漫画。
2013年にオフ・ブロードウェイのミュージカルになり多くの賞を受け、ブロードウェイに進出することが決まった。
今 回トニー賞では12部門にノミネートされ、主演マイケル・セルヴェリスに始まる5部門で受賞した。この『FUN HOME』は直訳すると「楽しい家庭」となるが、実はアリソンと彼女の兄弟がお父さんの葬儀屋(FUNERAL HOME)という家業をふざけて略して呼んだ名前で、それをタイトルにしたものだったが、明るい様で暗い、悲しい様で愉快、という内容を暗示している。
ほのぼのとした家族ストーリーの様にして始まるこのミュージカルだが、
お父さんが自殺する、ということがわかる時点から一変していく。
父の様子を伺う傷つきやすい子供時代、自分がレズビアンとわかりそれを両親に告げるが、同じ時に母から「父がゲイだ」と知った話しをされる大学時代、そし て、父が自殺した歳と同じ歳になった時に彼女が語る漫画家として生活する時代、という3つの時代がノンリニア式に表現されている自叙伝だ。
ゲイやレズビアンという、誰もがに共通する題材でないにも関わらず、両親、自分、という関係の中で、誰もが経験する家族の中の楽しさや寂しさや後悔や怒りを素直に表現しており、心が温まると同時に悲しくなる作品である。
Photo Credit Joan Marcus
上演時間:1時間45分(休憩なし)
シアター情報:
Circle in the Square Theatre
235 W. 50th Street
New York, New York 10019
United States