最新の作品
The Outsiders アウトサイダー
未だ10代だったS.E.ヒントンが、自身の住むオクラホマ州タルサを舞台に書いた小説 『アウトサイダー』は、当時同世代の若者の間で絶大な支持を得た。かれこれ60年ほど前の話だ。その後1983年にF・コッポラ監督で映画化され、後に有名になる多くの若手俳優がそこでデビューを果たした。そしてこの4月、アンジ...[Read More]
Lempicka レンピッカ
ヨーロッパのファシズムが拡大し、世界が混沌としていった時代を生き抜いた女性肖像画家の一生を描いたミュージカル。その主人公、タマラ・ド・レンピッカの名は知られていない。しかしその絵には見覚えがある筈。ロシアで何一つ不自由なく生活していたレンピッカはある時、突然難民となる。しかし貧しい暮らしの中で創作活...[Read More]
Illinoise イリノイズ/イリノイ
2023年~2024年シーズン後半のオフ・ブロードウェイでサプライズな大ヒットとなったのが、台詞が一切ないダンス・ミュージカル『イリノイズ』。シンガーソングライターのスフィアン・スティーヴンスが2005年に発表した、イリノイ州に焦点を当てたコンセプト・アルバム(邦題:「イリノイ」)に収録された楽曲を...[Read More]
Water for Elephants直訳:象達のための水
ベストセラーとなった歴史長編小説「WATER FOR ELEPHANTS(邦題:サーカス象に水を)」の新作ミュージカルがブロードウェイで始まった。サラ・グルーエンによるこの小説は2006年に出版され、2011年には映画「恋人たちのパレード」にもなっている。時代は1931年、世界大恐慌の真っ最中。事故...[Read More]
Dead Outlaw デッド・アウトロー
19世紀末から20世紀初頭にかけて実在した強盗エルマー・マッカーディのわずか30年ほどの一生と、死後ミイラとなって過ごした66年間が描かれている。舞台は、ステージの3分の1ほどの大きさの台に7人のバンドマンが乗り込み、フォーク・ロックを演奏する。作曲家デビット・ヤズベック、劇作家イタマール・モー...[Read More]
An Enemy of the People 民衆の敵
戯曲『人形の家』で有名なノルウェーの作家ヘンリック・イプセンの同名作品をエイミー・ヘルツォークが脚色したリバイバルとなる。原作は1883年にノルウェーで初演されて以来、世界中で何度も上演され、ブロードウェイでは11回目だ。今回は、テレビドラマの大ヒットシリーズ『メディア王 〜華麗なる一族〜』の主役を...[Read More]
Brooklyn Laundryブルックリン・ランドリー
ピューリッツァー賞とトニー賞を受賞しているニューヨーク生まれの劇作家、ジョン・パトリック・シャンリーが脚本と演出を担った悲喜劇『ブルックリン・ランドリー』。異性運がなかった男女が、人生の大波に呑まれながらも様々な絆を大切にする様子を、丁寧に描いている。主演女優は『サタデー・ナイト・ライブ』で10年以...[Read More]
Doubt: A Parable 疑惑:聖書における道徳的訓話
ピューリッツァー賞とトニー賞を受賞した『ダウト』が、20年ぶりにブロードウェイに帰って来た。『ダウト』は劇作家ジョン・パトリック・シャンリーの名作。2008年にメリル・ストリープ主演で映画化され、アカデミー賞最優秀脚色賞を含めた5部門でノミネートされている。1964年、ニューヨーク市ブロンクスの労働...[Read More]
Days of Wine and Roses 酒とバラの日々
主演女優ケリー・オハラは、ミュージカル『王様と私』でトニー賞を受賞。2019年には来日も果している。その彼女が今回はアル中の女を演じるというので、今NYCでは、この話題で盛り上がっている。演題の「Days of Wine and Roses」は、ジャズのスタンダードナンバーとして有名だが、元は195...[Read More]
The Connectorザ・コネクター
コンラッド編集長は1995年、ライターとしてこの会社に加わって以来、約30年に渡って著名な人気雑誌ザ・コネクターの発刊に情熱を注いできた。ところが50年という歴史を持つコネクター社は、ちかごろ複合企業に買収され、利益増進を厳しく求められるようになっていた。そんな時に面接に来た名門校出身のイーサンを、...[Read More]
Jonahヨナ
ニューヨーク、ブルックリンの劇作家レイチェル・ボンズによる新作。犯罪の温床の様な都市デトロイト生まれの主人公アナを中心に、3人の男達が絡んで話が展開する。舞台設定はただ一つ。彼女の部屋だが、それは一時期に留まらない。幼少期から学生時代を経て、ひとり立ちするまでの複数の彼女の世界が、ベッドと机のある部...[Read More]
Appropriate アプロプリエイト
脚本家のブランデン・ジェイコブス-ジェンキンス(39歳)は、ブルックリンの黒人の劇作家/プロデューサーで、ピューリッツァー賞演劇部門を受賞している。また2014年にオフで上演されたこの『Appropriate 』と、別の作品 『An Octoroon 』で、オビー賞(オフやオフオフ・ブロードウェイを...[Read More]
The Outsiders アウトサイダー
未だ10代だったS.E.ヒントンが、自身の住むオクラホマ州タルサを舞台に書いた小説 『アウトサイダー』は、当時同世代の若者の間で絶大な支持を得た。かれこれ60年ほど前の話だ。その後1983年にF・コッポラ監督で映画化され、後に有名になる多くの若手俳優がそこでデビューを果たした。そしてこの4月、アンジェリーナ・ジョリーがエグゼクティブ・プロデューサーとなって、ブロードウェイでオープンした。どうやら彼女の15歳になる娘がサンディエゴの大学内でこの作品の試験公演を観て、アンジーに勧めたらしい。このS....[Read More]
最新ニュース
2023年 トニー賞に向けて
5月2日、トニー賞各賞のノミネートが発表された。だが他方、その日の朝から始まっていたのが放送作家達のストライキだった。テレビ、ラジオ、映画、ネットなどのすべての作家達が参加している。米国の組合(ユニオン)は日本と違い、職種別に組織されているのがほとんどなので、この人たちがストライキを始めたことで授賞...[Read More]
ニューヨークは、繰り返されるコロナ禍に大きな犠牲を払いながら、重ねて底力を見せ、再度活気に溢れてきている。
ニューヨーク州知事が昨年(2021年)5月にブロードウェイの閉鎖解除を発表した。それを受け、直後にコンサート形式のブルース・スプリングスティーンのショーが復活。8月には演劇の新作『パスオーバー』が開演。そして9月、待望のブロードウェイの花形、ミュージカル群が約18ヶ月ぶりに開幕を果たした。 この時を...[Read More]
復活を期して休むブロードウェイ 〜コロナ感染の中、ニューヨークの行方〜
コロナ感染の状況は毎日変化する。新型コロナウイルスの世界的な感染爆発により、ブロードウェイは3月12日から約1ヶ月の全公演が停止を発表したが、4月8日、それを更に約2ヶ月先の6月7日までに延期した 。 そこでこの影響の大きさを解説する前に、少し振り返って今回のブロードウェイでの動きをなぞってみる。 ...[Read More]
ブロードウェイ
The Outsiders アウトサイダー
未だ10代だったS.E.ヒントンが、自身の住むオクラホマ州タルサを舞台に書いた小説 『アウトサイダー』は、当時同世代の若者の間で絶大な支持を得た。かれこれ60年ほど前の話だ。その後1983年にF・コッポラ監督で映画化され、後に有名になる多くの若手俳優がそこでデビューを果たした。そしてこの4月、アンジ...[Read More]
Lempicka レンピッカ
ヨーロッパのファシズムが拡大し、世界が混沌としていった時代を生き抜いた女性肖像画家の一生を描いたミュージカル。その主人公、タマラ・ド・レンピッカの名は知られていない。しかしその絵には見覚えがある筈。ロシアで何一つ不自由なく生活していたレンピッカはある時、突然難民となる。しかし貧しい暮らしの中で創作活...[Read More]
Water for Elephants直訳:象達のための水
ベストセラーとなった歴史長編小説「WATER FOR ELEPHANTS(邦題:サーカス象に水を)」の新作ミュージカルがブロードウェイで始まった。サラ・グルーエンによるこの小説は2006年に出版され、2011年には映画「恋人たちのパレード」にもなっている。時代は1931年、世界大恐慌の真っ最中。事故...[Read More]
An Enemy of the People 民衆の敵
戯曲『人形の家』で有名なノルウェーの作家ヘンリック・イプセンの同名作品をエイミー・ヘルツォークが脚色したリバイバルとなる。原作は1883年にノルウェーで初演されて以来、世界中で何度も上演され、ブロードウェイでは11回目だ。今回は、テレビドラマの大ヒットシリーズ『メディア王 〜華麗なる一族〜』の主役を...[Read More]
オフ・ブロードウェイ
Illinoise イリノイズ/イリノイ
2023年~2024年シーズン後半のオフ・ブロードウェイでサプライズな大ヒットとなったのが、台詞が一切ないダンス・ミュージカル『イリノイズ』。シンガーソングライターのスフィアン・スティーヴンスが2005年に発表した、イリノイ州に焦点を当てたコンセプト・アルバム(邦題:「イリノイ」)に収録された楽曲を...[Read More]
Dead Outlaw デッド・アウトロー
19世紀末から20世紀初頭にかけて実在した強盗エルマー・マッカーディのわずか30年ほどの一生と、死後ミイラとなって過ごした66年間が描かれている。舞台は、ステージの3分の1ほどの大きさの台に7人のバンドマンが乗り込み、フォーク・ロックを演奏する。作曲家デビット・ヤズベック、劇作家イタマール・モー...[Read More]
Brooklyn Laundryブルックリン・ランドリー
ピューリッツァー賞とトニー賞を受賞しているニューヨーク生まれの劇作家、ジョン・パトリック・シャンリーが脚本と演出を担った悲喜劇『ブルックリン・ランドリー』。異性運がなかった男女が、人生の大波に呑まれながらも様々な絆を大切にする様子を、丁寧に描いている。主演女優は『サタデー・ナイト・ライブ』で10年以...[Read More]
The Connectorザ・コネクター
コンラッド編集長は1995年、ライターとしてこの会社に加わって以来、約30年に渡って著名な人気雑誌ザ・コネクターの発刊に情熱を注いできた。ところが50年という歴史を持つコネクター社は、ちかごろ複合企業に買収され、利益増進を厳しく求められるようになっていた。そんな時に面接に来た名門校出身のイーサンを、...[Read More]
その他の舞台
The Little Prince 星の王子様
フランス人サン=テグジュペリによる「星の王子さま」の舞台化である。 シルク・ド・ソレイユを手がけてきた演出家フランコ・ドラゴーヌと10年間一緒にLe Reveなどの作品を手がけきたというAnne Tournie が演出・振付を担っているので、期待どおりアクロバット、ダンス、歌が融合されたフィジカル...[Read More]
Sugimoto Bunraku Sonezaki Shinju: The Love Suicides at Sonezaki 杉本文楽 曾根崎心中
11月にオープンした草間彌生展は、週末とはいえ氷点下となった中で2時間待ちという長蛇の列が出きていた。ニューヨーカーは日本のアートが好きだ。そしてそれは現代アートだけではない。2004年にリンカーン・センターで行われた中村座の歌舞伎座公演は、空前の大ヒットとなり皆を驚かせた。以降リンカーン・センター...[Read More]
The Illusionists 〜Magic Of The Holidays〜 ザ・イリュージョニスト
このブログではいままでブロードウェイで演じられる芝居やミュージカルを紹介してきたが、今回は「ザ・イリュージョニスト」を紹介したい。この作品はその名の如く、イリュージョンだ。芝居でもミュージカルでもない。しかし「ザ・イリュージョニスト」は、世界ツアーをしながら一年に一回冬の間だけブロードウェイで公演さ...[Read More]
トルーク TORUK(上演終了)
日本でもお馴染みのカナダのサーカス団シルク・ドゥ・ソレイユの全国ツアー『トルーク(TORUK - The First Flight)』が今年秋、ニューヨークにも来た。マンハッタンからすぐのブルックリンとニュージャージー州のニューアーク 2カ所のアリーナ(室内競技場)での短期間の公演だった。観客は家族...[Read More]