最新の作品
Gypsy ジプシー
アーサー・ローレンツ脚本、ジューリー・スタイン作曲、スティーブン・ソンドハイム作詞という錚々たる名士達によるミュージカル『ジプシー』が、1959年の初演から数えると6回目となるブロードウェイでのリバイバル迎えた。この物語は、実存のバーレスク・エンターテイナー*、ジプシー・ローズ・リー(1969年没)...[Read More]
Maybe Happy Ending メイビー、ハッピーエンディング(多分ハッピーエンド)
2016年に韓国ソウルで初演されたミュージカルで、批評家からの絶賛に勢いを得て、日本の日比谷シアタークリエ、米国アトランタのアライアンス・シアターで上演され、満を持して2024年、ブロードウェイにやってきた。脚本と作曲はアメリカ人ウィル・アロンソン、また脚本を共同執筆したヒュー・パークは視覚芸術を学...[Read More]
The Blood Quilt 血のキルト
ピューリッツアー賞に輝き、ミュージカル『ティナ』の脚本を書いたことでも知られる劇作家カトリ・ホールによる新作戯曲が『ブラッド・キルト』。 劇場はリンカーンセンターの地下にあり、ミュージカル『コンタクト』が初演されたことでも知られる客席数299のオフ・ブロードウェイの名門ミッツィ・E・ニューハウス。...[Read More]
The Counterカウンター
不眠症のポールは寒い冬の早朝、コーヒーを飲みにダイナー(小さな簡易食堂)にやってくる。ニューヨーク州北部のまだ暗さが残るその時間には、いつもウェイトレスのケイティしかいない。狭いダイナーの透かし窓には街を照らす灯火が映り、たまに車のヘッドライトが天井に差し込むが物音はしない。静かだ。夜明け前の時間が...[Read More]
Mama, I’m A Big Girl Now ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ
ミュージカル『ヘアスプレー』の初演でティーンエイジャーの役として共演した女優3人による女子会のようなステージが、オフ・ブロードウェイで上演中の『ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ』。劇中で歌われる楽曲名をタイトルに冠したこの作品で久々に同じ舞台に立つ3人が自ら脚本と演出を担い、歌やトークで当...[Read More]
Drag: The Musical ドラァグ:ザ・ミュージカル
人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』は、ドラァグクイーンの存在とその文化を幅広く知らしめた。同番組でその名を馳せたアラスカ・サンダーファックが作詞・作曲・脚本・主演を担うのが、この秋にオフ・ブロードウェイで開幕した『ドラァグ:ザ・ミュージカル』。あのライザ・ミネリがプロデューサ...[Read More]
Yellow Face黄色の顔
アジア系アメリカ人のアイデンティティと人種問題に切り込む大胆な姿勢が高い評価を受け、2008年にピューリッツァー賞の最終候補となった戯曲のリバイバルである。ニューヨーク・パブリック・シアターでオフ・ブロードウェイ初上演され、その後各地を廻ってようやくブロードウェイにやって来た。
The Roommate ルームメート
異なった環境で生活してきた全く違う性格の二人の中年女性が、オハイオ州の田舎でルームメートとなるところから物語は始まる。彼らの似ているのは、今までの生き方を変えたいと願っているところだ。二人の人生が、そのとある一軒家で交差し、やがて離れていく。その居間で繰りひろげられる大女優二人の演技を、1時間40分...[Read More]
The Big Gay Jamboreeビッグ・ゲイ・ジャンボリー
大ヒットした映画『バービー』でタイトルロールを演じたハリウッド女優のマーゴット・ロビーが惚れ込み、プロデューサーとして名乗りを挙げたことで初演が実現したのがミュージカル『ビッグ・ゲイ・ジャンボリー』。“ゲイの大祭典”などと訳せるタイトルからも自ずと察しがつくように、徹底して笑いを提供することに拘った...[Read More]
Cats: The Jellicle Ball キャッツ:ジェリクル舞踏会
2024年の夏のニューヨーク演劇界でチケット入手に困難を極めたのが、オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカル『キャッツ:ジェリクル舞踏会』。猫たちが都会のゴミ捨て場に集い、天上へ昇ることを許される1匹を選ぶという内容のお馴染みのミュージカル『キャッツ』を、新たな視点で見つめ直したリバイバルだ。
The Outsiders アウトサイダー
未だ10代だったS.E.ヒントンが、自身の住むオクラホマ州タルサを舞台に書いた小説 『アウトサイダー』は、当時同世代の若者の間で絶大な支持を得た。かれこれ60年ほど前の話だ。その後1983年にF・コッポラ監督で映画化され、後に有名になる多くの若手俳優がそこでデビューを果たした。そしてこの4月、アンジ...[Read More]
Lempicka レンピッカ
ヨーロッパのファシズムが拡大し、世界が混沌としていった時代を生き抜いた女性肖像画家の一生を描いたミュージカル。その主人公、タマラ・ド・レンピッカの名は知られていない。しかしその絵には見覚えがある筈。ロシアで何一つ不自由なく生活していたレンピッカはある時、突然難民となる。しかし貧しい暮らしの中で創作活...[Read More]
Gypsy ジプシー
アーサー・ローレンツ脚本、ジューリー・スタイン作曲、スティーブン・ソンドハイム作詞という錚々たる名士達によるミュージカル『ジプシー』が、1959年の初演から数えると6回目となるブロードウェイでのリバイバル迎えた。この物語は、実存のバーレスク・エンターテイナー*、ジプシー・ローズ・リー(1969年没)に焦点を当てつつ、幼い彼女が成長し独り立ちできるように厳しく、かつ支配的に教育するステージ・ママ、ローズ・ホヴィックをも見事に描ききった作品となっている。
最新ニュース
2023年 トニー賞に向けて
5月2日、トニー賞各賞のノミネートが発表された。だが他方、その日の朝から始まっていたのが放送作家達のストライキだった。テレビ、ラジオ、映画、ネットなどのすべての作家達が参加している。米国の組合(ユニオン)は日本と違い、職種別に組織されているのがほとんどなので、この人たちがストライキを始めたことで授賞...[Read More]
ニューヨークは、繰り返されるコロナ禍に大きな犠牲を払いながら、重ねて底力を見せ、再度活気に溢れてきている。
ニューヨーク州知事が昨年(2021年)5月にブロードウェイの閉鎖解除を発表した。それを受け、直後にコンサート形式のブルース・スプリングスティーンのショーが復活。8月には演劇の新作『パスオーバー』が開演。そして9月、待望のブロードウェイの花形、ミュージカル群が約18ヶ月ぶりに開幕を果たした。 この時を...[Read More]
復活を期して休むブロードウェイ 〜コロナ感染の中、ニューヨークの行方〜
コロナ感染の状況は毎日変化する。新型コロナウイルスの世界的な感染爆発により、ブロードウェイは3月12日から約1ヶ月の全公演が停止を発表したが、4月8日、それを更に約2ヶ月先の6月7日までに延期した 。 そこでこの影響の大きさを解説する前に、少し振り返って今回のブロードウェイでの動きをなぞってみる。 ...[Read More]
ブロードウェイ
Gypsy ジプシー
アーサー・ローレンツ脚本、ジューリー・スタイン作曲、スティーブン・ソンドハイム作詞という錚々たる名士達によるミュージカル『ジプシー』が、1959年の初演から数えると6回目となるブロードウェイでのリバイバル迎えた。この物語は、実存のバーレスク・エンターテイナー*、ジプシー・ローズ・リー(1969年没)...[Read More]
Maybe Happy Ending メイビー、ハッピーエンディング(多分ハッピーエンド)
2016年に韓国ソウルで初演されたミュージカルで、批評家からの絶賛に勢いを得て、日本の日比谷シアタークリエ、米国アトランタのアライアンス・シアターで上演され、満を持して2024年、ブロードウェイにやってきた。脚本と作曲はアメリカ人ウィル・アロンソン、また脚本を共同執筆したヒュー・パークは視覚芸術を学...[Read More]
Yellow Face黄色の顔
アジア系アメリカ人のアイデンティティと人種問題に切り込む大胆な姿勢が高い評価を受け、2008年にピューリッツァー賞の最終候補となった戯曲のリバイバルである。ニューヨーク・パブリック・シアターでオフ・ブロードウェイ初上演され、その後各地を廻ってようやくブロードウェイにやって来た。
SUNSET BLVD. サンセット大通り
ブロードウェイでは7年ぶりで、2度目のリバイバルとなるアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲の『サンセット大通り』。今回は、ウエストエンドで上演され、2024年のローレンス・オリビエ賞でリバイバル作品賞も含め同年最多の7部門を受賞したプロダクションの引っ越し公演となる。作品を解体し新たな解釈を加えながら...[Read More]
オフ・ブロードウェイ
The Blood Quilt 血のキルト
ピューリッツアー賞に輝き、ミュージカル『ティナ』の脚本を書いたことでも知られる劇作家カトリ・ホールによる新作戯曲が『ブラッド・キルト』。 劇場はリンカーンセンターの地下にあり、ミュージカル『コンタクト』が初演されたことでも知られる客席数299のオフ・ブロードウェイの名門ミッツィ・E・ニューハウス。...[Read More]
The Counterカウンター
不眠症のポールは寒い冬の早朝、コーヒーを飲みにダイナー(小さな簡易食堂)にやってくる。ニューヨーク州北部のまだ暗さが残るその時間には、いつもウェイトレスのケイティしかいない。狭いダイナーの透かし窓には街を照らす灯火が映り、たまに車のヘッドライトが天井に差し込むが物音はしない。静かだ。夜明け前の時間が...[Read More]
Mama, I’m A Big Girl Now ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ
ミュージカル『ヘアスプレー』の初演でティーンエイジャーの役として共演した女優3人による女子会のようなステージが、オフ・ブロードウェイで上演中の『ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ』。劇中で歌われる楽曲名をタイトルに冠したこの作品で久々に同じ舞台に立つ3人が自ら脚本と演出を担い、歌やトークで当...[Read More]
Drag: The Musical ドラァグ:ザ・ミュージカル
人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』は、ドラァグクイーンの存在とその文化を幅広く知らしめた。同番組でその名を馳せたアラスカ・サンダーファックが作詞・作曲・脚本・主演を担うのが、この秋にオフ・ブロードウェイで開幕した『ドラァグ:ザ・ミュージカル』。あのライザ・ミネリがプロデューサ...[Read More]
その他の舞台
The Little Prince 星の王子様
フランス人サン=テグジュペリによる「星の王子さま」の舞台化である。 シルク・ド・ソレイユを手がけてきた演出家フランコ・ドラゴーヌと10年間一緒にLe Reveなどの作品を手がけきたというAnne Tournie が演出・振付を担っているので、期待どおりアクロバット、ダンス、歌が融合されたフィジカル...[Read More]
Sugimoto Bunraku Sonezaki Shinju: The Love Suicides at Sonezaki 杉本文楽 曾根崎心中
11月にオープンした草間彌生展は、週末とはいえ氷点下となった中で2時間待ちという長蛇の列が出きていた。ニューヨーカーは日本のアートが好きだ。そしてそれは現代アートだけではない。2004年にリンカーン・センターで行われた中村座の歌舞伎座公演は、空前の大ヒットとなり皆を驚かせた。以降リンカーン・センター...[Read More]
The Illusionists 〜Magic Of The Holidays〜 ザ・イリュージョニスト
このブログではいままでブロードウェイで演じられる芝居やミュージカルを紹介してきたが、今回は「ザ・イリュージョニスト」を紹介したい。この作品はその名の如く、イリュージョンだ。芝居でもミュージカルでもない。しかし「ザ・イリュージョニスト」は、世界ツアーをしながら一年に一回冬の間だけブロードウェイで公演さ...[Read More]
トルーク TORUK(上演終了)
日本でもお馴染みのカナダのサーカス団シルク・ドゥ・ソレイユの全国ツアー『トルーク(TORUK - The First Flight)』が今年秋、ニューヨークにも来た。マンハッタンからすぐのブルックリンとニュージャージー州のニューアーク 2カ所のアリーナ(室内競技場)での短期間の公演だった。観客は家族...[Read More]