人種や階級をテーマに描いた本作は、1964年のニューヨークで起きたハーレム暴動の最中に、若手画家のアパートの一室で繰り広げられる出来事を描いている。黒人女性劇作家アリス・チルドレス(1916–1994)は、このアパートに集まった5人の男女を通じて、芸術と現実、そして理想とのギャップを浮かび上がらせる...[Read More]
「近代演劇の父」とも称されるノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセン(1828年–1906)の作品が、ここ数年続けてブロードウェイに登場している。2023年には『人形の家』が上演され、2024年には『人民の敵』がトニー賞の最優秀作品賞にノミネート、そして今年は『亡霊』がリンカーン・センターのオフ・ブロ...[Read More]
ニューヨークで二人の弁護士が立ち上げた個人傷害法律事務所が、膨大な利益を出していたにもかかわらず、たった20年後には完全な破局に至るというミュージカル・コメディーだ。この二人は実在した弁護士で、2000年の始めに自らジングルを作り、さらにそれに出演もした。そのテレビコマーシャルは、電話番号を歌詞の中...[Read More]
ミュージカル『RENT』の作詞・作曲家として知られるジョナサン・ラーソン。35歳の若さで急逝した彼の未発表の楽曲を披露するのが、この春にオフ・ブロードウェイで上演されたミュージカル『ジョナサン・ラーソン・プロジェクト』だ。
ロシア亡命者を両親に持つ脚本家エリカ・シェファーによる戯曲である。主役のロシア在住の女性ジャーナリスト、ライサは、1999年に就任した大統領プーチン・ウラジミールを相手に、2004年のチェチェン紛争をめぐって戦い続けた実在の独立系ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤをモデルにしたと言われている。...[Read More]
『The Beacon』は、アイルランドの劇作家ナンシー・ハリスによって書かれ、2019年ダブリン演劇祭の一環として初演された。今回は、ニューヨークのオフ・ブロードウェイにあるアイリッシュ・レパートリー・シアター(訳:アイルランド作品劇場)で公演されている。この劇場は、後に賞を受けることになるような...[Read More]
ピューリッツアー賞に輝き、ミュージカル『ティナ』の脚本を書いたことでも知られる劇作家カトリ・ホールによる新作戯曲が『ブラッド・キルト』。 劇場はリンカーンセンターの地下にあり、ミュージカル『コンタクト』が初演されたことでも知られる客席数299のオフ・ブロードウェイの名門ミッツィ・E・ニューハウス。...[Read More]
不眠症のポールは寒い冬の早朝、コーヒーを飲みにダイナー(小さな簡易食堂)にやってくる。ニューヨーク州北部のまだ暗さが残るその時間には、いつもウェイトレスのケイティしかいない。狭いダイナーの透かし窓には街を照らす灯火が映り、たまに車のヘッドライトが天井に差し込むが物音はしない。静かだ。夜明け前の時間が...[Read More]
ミュージカル『ヘアスプレー』の初演でティーンエイジャーの役として共演した女優3人による女子会のようなステージが、オフ・ブロードウェイで上演中の『ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ』。劇中で歌われる楽曲名をタイトルに冠したこの作品で久々に同じ舞台に立つ3人が自ら脚本と演出を担い、歌やトークで当...[Read More]
人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』は、ドラァグクイーンの存在とその文化を幅広く知らしめた。同番組でその名を馳せたアラスカ・サンダーファックが作詞・作曲・脚本・主演を担うのが、この秋にオフ・ブロードウェイで開幕した『ドラァグ:ザ・ミュージカル』。あのライザ・ミネリがプロデューサ...[Read More]
大ヒットした映画『バービー』でタイトルロールを演じたハリウッド女優のマーゴット・ロビーが惚れ込み、プロデューサーとして名乗りを挙げたことで初演が実現したのがミュージカル『ビッグ・ゲイ・ジャンボリー』。“ゲイの大祭典”などと訳せるタイトルからも自ずと察しがつくように、徹底して笑いを提供することに拘った...[Read More]
2024年の夏のニューヨーク演劇界でチケット入手に困難を極めたのが、オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカル『キャッツ:ジェリクル舞踏会』。猫たちが都会のゴミ捨て場に集い、天上へ昇ることを許される1匹を選ぶという内容のお馴染みのミュージカル『キャッツ』を、新たな視点で見つめ直したリバイバルだ。