アナスタシア ANASTASIA

アナスタシア ANASTASIA

ブロードウェイ
アナスタシア ANASTASIA
アナスタシア ANASTASIA

1956年公開の『追想』のリメイクであり、1997年のアニメ映画『アナスタシア』の舞台化。当時、実際に名乗り出たアンナ・アンダーソンという女性が、実は17歳で殺害されたはずのロシア皇帝ニコライ2世の末娘のアナスタシア皇女ではないかという謎で有名になった事件が元になっている。 実際のアンナ・アンダーソンは、近年DNA鑑定からロシア皇帝ニコライ2世とは関係がなかったとされている。しかし、豪華な舞台は照明や色が明るく美しく、幕が開くだけでワクワクするロマン溢れるシンデレラ・ストーリーだ。

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グレブ役には、日本でも知られているラミン・カリムルー。彼は『レ・ミゼラブル25周年記念コンサート』のアンジョルラス役、翌2011年の『オペラ座の怪人25周年記念公演』のファントム役、そして『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役を経て、ローレンス・オリヴィエ賞やトニー賞で最優秀男優賞にノミネートされている実力派。ディミトリ役は、2010年、26歳の時にオーディション番組「アメリカン・アイドル」にアマチュアとして出演して一躍人気者となり、ミュージカル男優としてデビューしたデリク・クリーナ。歌唱力ではカリムルーに完全に負けているのだが、カーテンコールでは観客の若い女性達から黄色い叫び声が上がる程で、その若さとルックスのパワーはすごい。

プロジェクション・デザインはアーロン・リンによるもので、最初のシーンで宮殿の窓から見える雪までが、今までとは違うおしゃれな振り方をしていた。舞台セットはシンプルだが、ステージの背景のLEDスクリーンに、パリに行くまでの汽車の後ろを飛んでいく風景やパリの街などが映し出されて、観がいがある。(ただし、セットの汽車が背景のCG 映像の線路の上を走って見える効果が中心から観ないと薄れるので、是非真ん中あたりの席で観よう。)昔の宮殿での亡霊が周りを舞っているのはプロジェクターで投影されていたが、これも巧妙に描かれていた。

<ストーリー>ロマノフ朝のアナスタシア皇女は、8歳の時ロシア革命が起こり、逃亡中に記憶喪失になってしまう。その後、孤児院で育てられ、20年という歳月が過ぎ、アナと名乗って掃除婦として貧しい暮らしをしていた。一方、パリにいたアナの祖母の皇太后は、ロシア革命で家族全員を殺害された後も行方不明のアナスタシアがどこかで生きていることに希望をかけていた。権力の推移で混乱した時代に揉まれながらも、稼げることは何でもやっていたディミトリとウラジミールは、アナをアナスタシア皇女に仕立ててパリに連れて行けば、褒美が沢山もらえるだろうと、詐欺を計画する。一方、社会主義国家の軍人となったグレブの父親は、革命を率いた張本人であり、グレブにアナスタシアを見つけたら殺す様に命じていた。しかし彼女に心を寄せていたグレブは「アナスタシア皇女の振りなどすると命に危険が及ぶ」とアナに警告する。一方、いろいろな困難を経てパリに向かったディミトリとアナは、次第に惹かれあっていく。やっとのことで辿り着いたパリでアナは皇太后と面会するが、褒美を狙ってアナスタシアを名乗る女性たちに飽き飽きしていた皇太后は、アナの顔さえも見ようともしない。しかし次第にこの娘こそが自分が探していた孫だと確信し、20年待った涙の再会となる。一方、軍の命令でアナをパリまで追いかけてきたグレブは、彼女に銃を向けて撃とうとするが、自分は父親のようにはなれないと確信して去っていく。 一般市民の自分と皇女アナスタシアとでは、あまりに不釣り合いだと身を引いて去っていくディミトリだったが、アナスタシアは自分の身分を捨てて、彼と一緒になることを決断する。

メディア評

NY Times: 4
NY1: Roma Torre : 7
Variety: 10

Broadhurst Theatre
235 West 44th Street
尺:2時間30分(15分の休憩含む)

舞台セット ★★★★★
作詞作曲 ★★☆☆☆
振り付け ★★★★☆
衣装 ★★★★☆
照明 ★★★★★
総合 ★★★★★

©2017 Matthew Murphy

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