あらすじ&コメント
見どころは多々あるが、シンディ・ローパーやサラ・バレリス、スティーヴィン・タイラーなど10人以上の著名ミュージシャンが作詞・作曲を手掛けている。多数の作曲家に支払うロイヤリティだけでなく、いかにも「お金をかけている〜!」と思われる衣装の数々や多くの小道具。そして、舞台装置が半端ではない。海底を想わすメタリック・ブルー色のメッキテープのカーテンが客席全体を覆い、舞台装置がプロセニアム・アーチからはみ出るほどに組まれている。2時間30分の間に徹底して観客を飽きさせない工夫が散りばめられたエンターテインメント性の高さには感心させられる。
ただ、主人公のスポンジ・ボブとお馴染みのキャラクターたちの友情の強さや絆は描かれるものの、それ以外のドラマ性やテーマ性など心を動かされる要素は特に見られなかった。観ていた時はかなり楽しんだのだが、終わった後、特に心に残るものはない。あくまでも1999年から始まったテレビ放送などで、このアニメとキャラクターに親しんできた世代が楽しむためのミュージカルだ。客席のミレニアル世代の若者が、私などがわからないところで笑ったり喜んだりして湧いていたのも印象的だった。
ちなみに、このアニメはNHKが放送していたこともあり日本でも根強い人気を誇るが、フロリダ州のユニバーサル・スタジオには、日本にはない「スポンジ・ボブ」のアトラクションがあり、日本からの観光客に大人気なのだそうだ。
Palace Theater
1564 Broadway
公演時間:2時間30分(10分の休憩)
舞台セット ★★★★★
作詞作曲 ★★★★★
振り付け ★★★★☆
衣装 ★★★★★
照明 ★★★★☆
総合 ★★★★☆

©Joan Marcus, 2017

©Joan Marcus, 2017

©Joan Marcus, 2017

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