Kiss Me, Kate! キス・ミー、ケイト!

Kiss Me, Kate!
キス・ミー、ケイト!

ミュージカル ブロードウェイ
Kiss Me, Kate!
キス・ミー、ケイト!
Kiss Me, Kate! キス・ミー、ケイト!

1943年のロジャー&ハマースタインの『オクラホマ!』に強い影響を受けて、コール・ポーターが1948年に書き上げたミュージカル。 トニー賞で最初にミュージカル部門が出来たのが翌年の1949年で、その受賞に輝いた初のミュージカル作品となった。 1953年に映画化されており、楽曲『Too Darn Hot』『So in Love』『Wunderbar』を知らない人はいないだろう。

あらすじ&コメント

舞台は、上演を間近に控えたシェイクスピア『じゃじゃ馬ならし』のリハーサルシーンから始まる。プロデューサー、兼演出家、兼俳優もやるフレッド(Will Chase)は、前妻で女優のリリーとを『じゃじゃ馬馴らし』のビアンカ役に立てようと思っているが、夫婦だったフレッドとリリーは、些細なことですぐに口論になる。しかし本当はお互いが気になっているようだ。もっともリリーには婚約者ハリソンがいて、軍人で政治力も富もある彼との結婚が控えていた。一方、ダンサーのロイスは、ビアンカ役を取るため、フレッドを巧みに誘惑する。そんな彼女には長い間付き合っているボーイフレンドのビルがいた。ビルはギャンブルが止められず、すっからかんになってしまい、苦し紛れに借用書にフレッドの名前をサインしてしまう。

リリーは楽屋でフレッドに話しかける。「今日は私たちの離婚1周年記念ね」。そして二人はかつての下積み時代を思い出し、その頃一緒に演じたデュエットを歌い始める。彼等二人がいまだに愛し合っているのは一目瞭然。フレッドが控え室へ戻ると、そこにはギャング二人が待っていた。手にはビルがサインした借用書を持っている。ところがフレッドは、サインをもらいにファンが来たと勘違いしてしまう。その3人のやり取りが面白い。フレッドは自分を誘惑するロイスの楽屋宛に、アシスタントを使って花束を送る。ところがアシスタントはその花を間違って、リリーの楽屋に持って行ってしまう。受け取ったリリーは、フレッドの自分への想いに深く感激するのだった。しかしその花束に挟まれたカードには気づかない。間違いに気づいたフレッドはあわてて、『じゃじゃ馬馴らし』の上演中にカードだけでも取り戻そうと、あの手この手を繰り出す。しかしリリーは後で読もうと、そのカードを彼女の胸元に入れてしまう。フレッドがすったもんだしているうちに、リリーはカードを開いて、それがロイス宛だったことを知ってしまう。ショックを受けたリリーは、激情を抑えられない。次の出番になんとか上がるが舞台はもう混乱状態。なんとか終えて幕間に入るが、リリーは早速フィアンセのハリソンへ電話。今すぐここを出るからすぐに迎えに来て!と頼むのだった。それを知ったフレッドは、ギャングの二人に、幕が降りるまでリリーを留めてほしいと頼む。

やがてハリソンがリリーを迎えにやって来る。しかし彼は女好きでマッチョな男だった。舞台の最終部分で漸くそれに気づくリリー。そうしてフレッドの元に帰ってくる。二人は『じゃじゃ馬馴らし』の中の最後の求愛シーンを『王様と私』で渡辺謙と共演していたケリー・オハラが、ケイト役をこなす。ブロードウェイでは美声で有名な彼女のまろやかな歌声には、うっとりする。舞台セットや衣装は美しく、ダンサーも粒選り。レベルの高いエンタテイメントに仕上がっている。特に『Too Darn Hot』の振り付けは、けだるい夏の暑さと、その中で繰り広げられる男女の欲望を上手に描いていて、もう一度見たくなる。舞台セットは、リリーとフレッドの部屋が並ぶ楽屋、『じゃじゃ馬馴らし』の舞台、劇場の裏界隈の3つだが、シーンの変化もあり見飽きない。
3/21/2019

千秋楽:6月30日2019年

Studio 54
254 W. 54th St.

上演時間:2時間30分(15分休憩一回)

舞台セット:8
作詞作曲:10
振り付け:9
衣装:8
照明:8
総合:9
Photo by Joan Marcus 2019
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Photo by Joan Marcus 2019
Photo by Joan Marcus 2019
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