あらすじ:
(注:ネタバレあり)
夢ばかり大きい口先ばかりの 演劇プロデューサーのオスカーは、また舞台に失敗して倒産。大きな借金をかかえたままシカゴから「20世紀」という当時 豪華客室を売りに世界一番と呼ばれた NY–シカゴ間を走る列車。
そこには彼が昔、貧乏なピアノ伴奏弾きだった頃 からその才能を見いだして女優に鍛えあげ、今ではハリウッドでアカデミー受賞女優のリリー・ガーランドが乗ってきた。実は、オスカーはその情報を掴んでい て、たくみに彼女の隣の客室に乗り込んで、彼女に自分の次のNYでの芝居に出てもらおうと、頼み込む。しかし、昔、オスカーに裏切られたと感じているリ リーは、彼への恋心を忘れられないながらも、その願いには屈しない。 そこに、リリーを見送りに 来ただけの筈だった彼女にベタ惚れの男優ジョージを乗せたまま列車は走り出し、オスカー、ジョージ、リリーの三角関係が始まる。
そして、同 じ汽車に「悔い改めよ」と言う宗教スティッカーを車内や乗客に貼りまくるオバアさんが出現。そんな変なオバアさんとは知らないオスカーは、億万長女だと自 称する彼女から20万ドルの小切手を、得意の口のうまさで受け取り、彼女の希望する様な神を敬まう芝居を創ると宣言。その小切手でリリーを説得しようとす るが、サインするべきかどうか迷うリリー。
結局、そのオバアさんは億万長者とは程遠い精神科病院から逃げてきた患者であることがわかり、そ れを知ったオスカーは自殺を計る。 リリーは、瀕死の状態のオスカーを目の前に昔の愛情が蘇り、契約書にサイン。 しかし、実は拳銃は急所を避けて、オスカーは元気。 そして、さすがに過去 のオスカーをよく知っているリリー。 契約書に偽のサインをしていた。 お互いのダマし合いをしながら、もう一度やり直そう、という気持ちになって盛り上 がる二人。 舞台は大団円を迎えるのだった。
上演時間:2時間30分(休憩含む)
シアター情報:
American Airlines Theatre
227 West 42nd Street
New York, New York 10036
舞台セット ★★★★☆
作詞作曲★★★☆☆
振り付け★★★☆☆
衣装★★☆☆☆
照明★★★★☆
日本では、アメリカの人気テレビシリーズ『The O.C.』のサンディ・コーエン役として知られている。
On the Twentieth Century(上演終了) 作品レビュー
舞台は緞帳からアートデコ風で良く考えられている。当時を再現した衣装もセットも手がこんでいる。 ミュージカル『ロッキー』でアンディ・カールに出会った人々は、彼のコメディー男優としての才能に驚くだろう。 汽車の客室内という狭い舞台装置の中で長身の体を軽やかに運びながら、うまく頭の弱いハンサムボーイを演じている。