Broadway Square

The Least Problematic Woman in the Worldザ・リースト・プロブレマティック・ウーマン・イン・ザ・ワールド

“世界で最も問題のない女性”と訳されるタイトルとは正反対に、その行動で世間を騒がせたトランスジェンダーのディラン・マルバニーが自らの過去を振り返る内容。 ステージに立つのは彼女ひとりとはいえ、著名な作詞・作曲家たちが楽曲を提供し、舞台やTVの大物が映像や声で出演、ボリューム感が特徴の作品となる。

Saturday Churchサタデー・チャーチ

『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』の邦題で知られる2017年のミュージカル映画を本格的に舞台化したのが『サタデー・チャーチ』。 ミュージカル『RENT』や『Once』を送り出したことで知られるオフ・ブロードウェイのNYシアター・ワークショップで期間限定公演を2回にわたり延長するほど観客から高く評価されている。

Waiting for Godot ゴドーを待ちながら

2025年の秋、映画界で長年コンビとして知られるキアヌ・リーヴスとアレックス・ウィンターがブロードウェイで再共演を果たし、大きな話題を集めている。 作品は、サミュエル・ベケットの代表作にして、20世紀演劇を象徴する『(ゴドーを待ちながら)』。演出は、『サンセット大通り』(アンドリュー・ロイド=ウェバー作)でも注目を浴びたジェイミー・ロイドである。ベケットの不条理劇とロイドのミニマリズムが交差し、時代を超えて呼吸する新たな「ゴドー」が誕生した。

Punchパンチ

「赦し」「責任」「更生とは何か」という問いを観客に投げかける『Punch』は、俳優たちの熱演と演出の緊張感が融合し、2025年のブロードウェイで見逃せない社会派作品のひとつとなっている。 若い時に犯罪を犯してしまったジェイコブ・ダンの回想録を、ジェームズ・グレアムが戯曲化した新作だ。イギリス中部の地方劇場での初演(2024年)を皮切りに、ロンドンの公立劇場での上演を経てウエストエンドに進出。その勢いのままブロードウェイ入りを果たした。 グレアムは政治・社会派の劇作家として知られ、『Ink』でトニー賞にもノミネートされたイギリスの人気劇作家である。 19歳の衝動的な一撃(パンチ)が引き起こす悲劇と、その後に続く贖罪と和解の物語が描かれている。

Ava: The Secret Conversationsアヴァ・秘密の会話

ハリウッド黄金期を代表するアヴァ・ガードナーは、フランク・シナトラ、ミッキー・ルーニー、アーティ・ショウと結婚し、さらに大富豪ハワード・ヒューズとの恋愛関係でも知られており、華やかな私生活でも注目を浴びた女優である。映画『モガンボ』(1953年)ではアカデミー主演女優賞にノミネートされ、セックス・シンボルとしての地位も確立した。 脚本を書いたのは、アヴァを演じるエリザベス・マクガヴァン自身で、彼女にとって初の舞台脚本作品である。亡くなる2年前の1988年、アヴァは自伝執筆をジャーナリストのピーター・エヴァンスに依頼した。脚本の原作となったのが、このインタビュー記録をまとめた回想録で、スター女優の光と影を凝縮した伝記劇である。

Ginger Twinsies ジンジャー・ツインジーズ

リンジー・ローハンが主演した1998年の映画『ファミリー・ゲーム/双子の天使(原題:The Parent Trap)』を非公式に舞台化したのがオフ・ブロードウェイで上演中のストレートプレイ『ジンジャー・ツインジーズ』。 観客を抱腹絶倒させることを最優先にしたかのような喜劇が、若年層の観客から高い支持を得ている。

Jamie Allan’s AMAZEジェイミー・アランズ アメイズ

この夏から秋にかけてオフ・ブロードウェイで上演されているのが、イギリス出身のハイテク魔術師のジェイミー・アランによる『アメイズ』。 ブロードウェイ界隈にある複合芸術施設内の客席数199の小劇場での上演ということを最大限に生かし、ノスタルジックな感慨で観ることのできる人間味が漂う上質のマジックショーだ。

Goddessゴッデス

名作ミュージカル『コーラスライン』や『ハミルトン』などが初演されたことで知られるオフ・ブロードウェイのパブリックシアター。 ニューヨーク演劇界の2025—2026のシーズンが始まって間もない中、この名門劇場で上演され高く評価されたのがミュージカル『ゴッデス』で、プレビュー開始前から期間限定の公演を延長するほどの注目を集めた。

Jeff Ross: Take a Banana for a Rideジェフ・ロス:バナナを持っておいで

ブロードウェイで上演中のコメディアン、ジェフ・ロスによる90分間のワン・マン・ショー。 内容は彼の自叙伝で、両親や祖父、子供時代、芸人としてのデビュー、ステージ3の大腸がんの宣告、コロナ禍で保護したシェパード犬との日々などが語られる。その口調は鋭くも温かみがあり、ユーモアたっぷり笑わせながらも心を揺さぶってくる。

Joy: A New True Musical ~ジョイ:真実の新しいミュージカル〜

オフ・ブロードウェイで上演中のこの新作ミュージカルは、発明家で起業家の女性ジョイ・マンガーノの人生を描いている。家族を支えながら苦境に立ちつつも、その独創的なアイデアと行動力で「ミラクルモップ」*を発明し、1992年にテレビ通販QVCで紹介して一大成功を収めたことで特に知られている。その後も、同じ境遇にある主婦たちが家事や掃除で助かるような製品を次々と世に送り出してきた。実話をもとにしながらも十分に脚色を加え、2時間以上の上演時間を感じさせないエンターテインメント性の高い作品となっている。

Bus Stop バス停留所

ウィリアム・モッター・インジ(1913–1973)の作品は、この『バス停留所』(1955)も含め、『ピクニック(Picnic)』(1953)、『草原の輝き(Splendor in the Grass)』(1961年)が映画になっているので、ご存知の方も多いだろう。『バス停留所』は、アメリカ中西部を舞台にした密室劇*である。ニューヨークのオフ・ブロードウェイでは、数ヶ月前に「Sumo 相撲」という戯曲がアジア系アメリカ人俳優によって上演された。しかし今回興味深いのは、アメリカ中西部の小さな町に生きる人々の孤独、抑圧された性的衝動、道徳の曖昧さといったテーマを深く掘り下げ、「中西部の劇作家」とも呼ばれているインジによる名作を、『バス停留所』という作品で、全キャストがアジア系アメリカ人俳優によって演じられている点である。

Rolling Thunder ローリング・サンダー

オフ・ブロードウェイで上演中のミュージカル『Rolling Thunder(ローリング・サンダー)』は、舞台とライブコンサートが融合したロック・ミュージカルだ。1960〜70年代の反戦運動とベトナム戦争を背景にしたロック・コンサート+ドキュメンタリー形式の作品で、伝統的なミュージカルとは一線を画している。演奏は、リードギター、リズムギター、ベース、ドラム、キーボードの5人編成のバンドが舞台奥と左右の高台に配置され、ステージの半分を占めている。彼らは、若者たちの間で強く支持された反戦の精神の中で生まれたヒット曲20以上を見事に演奏する。一方、残りのステージで、当時の若者や兵士、市民の経験をもとにした複合的キャラクターが描かれ、実際の手紙や映像資料も紹介され、戦場と故郷の家庭、両方から見た時代の空気が再現される。

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