映画『Xメンシリーズ』のウルヴァリン役や、『グレイテスト・ショーマン』で アメリカだけならず日本でもファンの多いヒュー・ジャックマンが、ブロードウェイに戻ってきて話題になっている。彼が演ずるのはこのミュージカル『The Music Man』の詐欺師、ハロルド・ヒルだ。ハロルドは、アイオワ州の田舎町リバーシティにやってきて、町の少年少女たちだけで音楽隊を結成する、と約束し、その魅力的な外見とエネルギッシュな話術で、楽器やユニフォームを両親に売りつけようとたくらんでいるのだった。
テレビのコメディードラマ「Will and Grace 邦題:ふたりは友達?ウィル&グレイス」でエミー賞を始め、多くの賞を受けた女優デブラ・メッシングが主演。ある女性の思春期から107歳(長生き!)になるまでの90年間を、17歳の誕生日、41歳の誕生日、70歳の誕生日・・・という具合に、節目節目の様子を見せることで、その人生を濃縮して 描き出している。
ニューヨーク州知事が昨年(2021年)5月にブロードウェイの閉鎖解除を発表した。それを受け、直後にコンサート形式のブルース・スプリングスティーンのショーが復活。8月には演劇の新作『パスオーバー』が開演。そして9月、待望のブロードウェイの花形、ミュージカル群が約18ヶ月ぶりに開幕を果たした。 この時を待っていた大勢のミュージカル・ファンが詰めかけ、当初はどの作品も好調なスタートだった。ところが感謝祭、クリスマス、お正月と続く稼ぎ時にオミクロン株が上陸。観客は減り、2022年の1月9日の週には約60%しか座席が埋まらず、9つのショーが早期終演を余儀なくされた。運が悪いとしか言いようがない。 3月にはブロードウェイ劇場41軒中、半分にも満たない19軒だけがオープンしていると言う有様だったが、それでも劇場間での競争が減ったことが幸いし、92%の席が埋まっていた日もあるなど、有名作品の収益は相応なレ...[Read More]
新人マイケル・R・ジャクソン の脚本・作詞・作曲による半ば自叙伝的ミュージカル。2019年、コロナ前にオフ・ブロードウェイで公開され、ドラマデスク賞、ピューリッツァー賞(ドラマ部門)を受賞している。その後地方のトライアウトとしてワシントンDCで公演されて成功を収め、今年2022年にブロードウェイにやってきた。6月12日に予定されているトニー賞では、最優秀ミュージカル作品賞の筆頭候補と言われている。
自由の女神が一望できるマンハッタンの南端に位置するユダヤ人遺産博物劇場で3月下旬から上演されているのが、新作ミュージカル『ハーモニー』だ。1960年代から今日まで活動を続け「哀しみのマンディ」を始めとする多くのメガヒット曲で知られる歌手バリー・マニロウが作曲を手掛けていて、この春のニューヨーク演劇界で注目を集めている。
NYタイムズ紙が劇評家の推奨作品に選出し、タイムアウト誌が2021年の新作ミュージカルのベストと称え注目を集めた作品。通常の4~5倍の速さで老いていく平均寿命が16歳という早老症の病を抱えた女子高生キンバリー・レヴァーコのストーリーだ。
ずいぶん昔の話になるが第一次世界大戦の傷跡さめやらぬパリに、あるユダヤ人※1がピアノの店を開いた。それは1920年のことで、閉店が決まるのは2016年なので、実に96年間の長きに渡り、世代を重ねて繰り広げられるユダヤ人一族の話が、今回紹介する作品になる。ナチスからの迫害、フランス人からの冷遇を乗り越えながらパリでの生活を営みながらも、最終的にはイスラエルへの移住を決定するまでの彼らの悲哀と逞しさが、ユーモラスに描かれる。 芝居は盆舞台を使いながら、ポイントとなる時代を行き来して巧みな構成で描写される。脚本はジョシュア・ハーモン、演出はトニー賞受賞「The Band's Visit」のデヴィッド・クローマー、舞台セットは日経アメリカ人のタケ・タケシによる。
フランス人サン=テグジュペリによる「星の王子さま」の舞台化である。 シルク・ド・ソレイユを手がけてきた演出家フランコ・ドラゴーヌと10年間一緒にLe Reveなどの作品を手がけきたというAnne Tournie が演出・振付を担っているので、期待どおりアクロバット、ダンス、歌が融合されたフィジカル・パーフォーマンスの作品に仕上がっていた。また、もう一人の共同演出者Chris Mouron は、歌詞だけではなくナレーターも担当している。
キング・オブ・ポップとして全世界のアーティストに大きな影響与えながら50歳にして逝ったマイケル・ジャクソン。今回紹介するのは彼の子供時代からデンジャラス・ワールドツアーまでを描いた伝記物ミュージカル。この作品はジュークボックススタイルをとっている。
2017年、英国ケンブリッジ大学のエジンバラ・フリンジ・フェスティバル*で学生たちにより演じられたミュージカルが、その後ウェストエンドを皮切りに数々の国際的な公演を経てブロードウェイにやってきた。
1993年にヒットした亡ロビン・ウィリアムズ主演映画で広く知られている『ミセス・ダウト』の舞台化作品で、演出は、トニー賞を8回ノミネートされて4回受賞したベテラン、ジェリー・ザックス。 この作品は2020年3月に開演したのだが、たった3回でロックダウンで公演中止。昨年12月に9か月ぶりに再オープンしたと思ったら今度はオミクロン株の流行で客足が遠のいてしまった。現在1月10日から4月9日までの休演予定と公表している。
かの有名なニューウェーブのロックバンド、トーキング・ヘッズを率いるデイビッド・バーンのコンサートが、米国ツアーを経てブロードウェイにやってきた。ギターリストであり、シンガーであり、作詞、作曲もこなすデイビッド・バーンは、グラミー賞、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞を獲得したうえに、ロックの殿堂入りも果たしているが、ブロードウェイで「特別トニー賞」に輝いた。このコンサート形式のショーには、ヒット曲「バーニング・ダウン・ザ・ハウス 」や「ワンス・イン・ア・ライフタイム」など、数々の名曲が盛り沢山だ。