ピューリッツアー賞に輝き、ミュージカル『ティナ』の脚本を書いたことでも知られる劇作家カトリ・ホールによる新作戯曲が『ブラッド・キルト』。 劇場はリンカーンセンターの地下にあり、ミュージカル『コンタクト』が初演されたことでも知られる客席数299のオフ・ブロードウェイの名門ミッツィ・E・ニューハウス。...[Read More]
不眠症のポールは寒い冬の早朝、コーヒーを飲みにダイナー(小さな簡易食堂)にやってくる。ニューヨーク州北部のまだ暗さが残るその時間には、いつもウェイトレスのケイティしかいない。狭いダイナーの透かし窓には街を照らす灯火が映り、たまに車のヘッドライトが天井に差し込むが物音はしない。静かだ。夜明け前の時間が...[Read More]
ミュージカル『ヘアスプレー』の初演でティーンエイジャーの役として共演した女優3人による女子会のようなステージが、オフ・ブロードウェイで上演中の『ママ、アイム・ア・ビッグ・ガール・ナウ』。劇中で歌われる楽曲名をタイトルに冠したこの作品で久々に同じ舞台に立つ3人が自ら脚本と演出を担い、歌やトークで当...[Read More]
人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』は、ドラァグクイーンの存在とその文化を幅広く知らしめた。同番組でその名を馳せたアラスカ・サンダーファックが作詞・作曲・脚本・主演を担うのが、この秋にオフ・ブロードウェイで開幕した『ドラァグ:ザ・ミュージカル』。あのライザ・ミネリがプロデューサ...[Read More]
アジア系アメリカ人のアイデンティティと人種問題に切り込む大胆な姿勢が高い評価を受け、2008年にピューリッツァー賞の最終候補となった戯曲のリバイバルである。ニューヨーク・パブリック・シアターでオフ・ブロードウェイ初上演され、その後各地を廻ってようやくブロードウェイにやって来た。
異なった環境で生活してきた全く違う性格の二人の中年女性が、オハイオ州の田舎でルームメートとなるところから物語は始まる。彼らの似ているのは、今までの生き方を変えたいと願っているところだ。二人の人生が、そのとある一軒家で交差し、やがて離れていく。その居間で繰りひろげられる大女優二人の演技を、1時間40分...[Read More]
大ヒットした映画『バービー』でタイトルロールを演じたハリウッド女優のマーゴット・ロビーが惚れ込み、プロデューサーとして名乗りを挙げたことで初演が実現したのがミュージカル『ビッグ・ゲイ・ジャンボリー』。“ゲイの大祭典”などと訳せるタイトルからも自ずと察しがつくように、徹底して笑いを提供することに拘った...[Read More]
2024年の夏のニューヨーク演劇界でチケット入手に困難を極めたのが、オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカル『キャッツ:ジェリクル舞踏会』。猫たちが都会のゴミ捨て場に集い、天上へ昇ることを許される1匹を選ぶという内容のお馴染みのミュージカル『キャッツ』を、新たな視点で見つめ直したリバイバルだ。
未だ10代だったS.E.ヒントンが、自身の住むオクラホマ州タルサを舞台に書いた小説 『アウトサイダー』は、当時同世代の若者の間で絶大な支持を得た。かれこれ60年ほど前の話だ。その後1983年にF・コッポラ監督で映画化され、後に有名になる多くの若手俳優がそこでデビューを果たした。そしてこの4月、アンジ...[Read More]
ヨーロッパのファシズムが拡大し、世界が混沌としていった時代を生き抜いた女性肖像画家の一生を描いたミュージカル。その主人公、タマラ・ド・レンピッカの名は知られていない。しかしその絵には見覚えがある筈。ロシアで何一つ不自由なく生活していたレンピッカはある時、突然難民となる。しかし貧しい暮らしの中で創作活...[Read More]
2023年~2024年シーズン後半のオフ・ブロードウェイでサプライズな大ヒットとなったのが、台詞が一切ないダンス・ミュージカル『イリノイズ』。シンガーソングライターのスフィアン・スティーヴンスが2005年に発表した、イリノイ州に焦点を当てたコンセプト・アルバム(邦題:「イリノイ」)に収録された楽曲を...[Read More]
ベストセラーとなった歴史長編小説「WATER FOR ELEPHANTS(邦題:サーカス象に水を)」の新作ミュージカルがブロードウェイで始まった。サラ・グルーエンによるこの小説は2006年に出版され、2011年には映画「恋人たちのパレード」にもなっている。時代は1931年、世界大恐慌の真っ最中。事故...[Read More]