演劇

Jaja’s African Hair Braidingジャジャのアフリカ三つ編み

ガーナ系アメリカ人劇作家ジョセリン・ビオのコメディータッチの新作で、以前このブログにも書いたオフの戯曲『Our Dear Dead Drug Lord』を担当したホイットニー・ホワイトが演出している。劇場に入ると、あらゆるアフリカのブレイディング(三つ編み)のスタイルが舞台幕に描かれているのが目に飛...[Read More]

Purlie Victorious: A Non-Confederate Romp Through the Cotton Patchパーリー・ビクトリアス〜(直訳)南軍ではない者が小さい綿農家をはしゃいで進む〜

説教を美しく語るのが得意な黒人伝道師が、故郷ジョージア州の田舎の教会を買い取ろうと繰り広げる騒動を描いたコメディー作品。1961年に初演されたこの戯曲は、ケネディ・センター栄誉賞を受けた俳優、演出家、そして公民権運動の活動家であった故オジー・デイヴィスによるもので、彼が当時主役を演じた。スパイク・リ...[Read More]

The Shark is Broken サメが壊れた

先頃巨大ザメの映画「MEG2」が公開されたが、この手の作品は皆、多かれ少なかれスティーヴン・スピルバーグ監督による1975年の名作映画『JAWS/ジョーズ』の影響を受けていると言っていい。その『JAWS/ジョーズ』の撮影現場の様子をコメディータッチで描いた戯曲が『サメが壊れた』だ。

The Best We Could〜 a family tragedy〜 訳:精一杯やった〜ある家族の惨事〜

新人脚本家エミリー・フェルドマンの戯曲。米国における熟年層、コンプライアンス、大人になりきれない若者、家庭内の世代の壁といった諸問題に正面から取り組んでいる。観客はサブタイトル「〜ある家族の惨事〜」を見て心の準備をしていた筈だが、始まってみるとコメディータッチの作風によって終始笑いに引き込まれ、楽し...[Read More]

Fat Ham ファット・ハム

6月には、トニー賞授賞式をもってブロードウェイはシーズンを締めくくり、今度はオフ・ブロードウェイの小劇場で様々な舞台が幕を開き、ニューヨーク演劇界の夏が本格化する。やっと劇場の感染対策の規制は緩和され、ワクチン接種証明の提示やマスク着用義務の撤廃も進んで、パンデミック前の状態に近い夏を久々に迎えてい...[Read More]

Endgame エンドゲーム

『ゴドーを待ちながら』で知られるノーベル賞作家サミュエル・ベケットによる1957年の不条理劇『エンドゲーム』が、オフ・ブロードウェイで演じられ賞賛された。題目の『エンドゲーム』は、チェス用語で使われる『終盤戦』のことらしい。

The Picture From Home ピクチャー・フロム・ホーム

前衛写真家ラリー・サルタンは、週末に実家を訪れ、老いてゆく両親を何年にもわたって撮り続けた。そして1989年、短い文章をその写真に添えて、子供の頃の家族の八ミリ映像と一緒にMOMA(ニューヨーク近代美術館)で個展を開く。その展覧会は評判となり、そこを出発点に彼の名は知られて行くようになる。既に彼は亡...[Read More]

Cost of Living コスト オブ リビング

クリスマスが近いニューヨーク・ブルックリンにある小さなクラブの壁棚には、様々な洋酒が弱い光に照らされている。色とりどりのラベルが旨さを主張している前のバーには、デ゙ィビッド・ザヤスが演じる40代後半とおぼしいエディが腰かけている。そして彼は、そこにはいない誰かに静かに語りかけている。ニュージャーシー...[Read More]

I am Revolting 意訳:私は酷い有様 / 私は反乱を起こす

このアメリカ人脚本家グレーシー・ガードナーGRACIE GARDNERはブルックリン生まれで、まだ若いが多くの小さな賞を受けており将来有望と言われている。 劇に登場するのは、皮膚癌専門の医師と、研修医1人。および6、7人の患者らとなる。そして舞台は、医師が運営する医療クリニックの待合室となっている...[Read More]

Birthday Candles 直訳:誕生日のろうそく

テレビのコメディードラマ「Will and Grace 邦題:ふたりは友達?ウィル&グレイス」でエミー賞を始め、多くの賞を受けた女優デブラ・メッシングが主演。ある女性の思春期から107歳(長生き!)になるまでの90年間を、17歳の誕生日、41歳の誕生日、70歳の誕生日・・・という具合に、節目節目の様...[Read More]

The Prayer for the French Republic プレイヤー・フォー・ザ・フレンチ・リパブリック

ずいぶん昔の話になるが第一次世界大戦の傷跡さめやらぬパリに、あるユダヤ人※1がピアノの店を開いた。それは1920年のことで、閉店が決まるのは2016年なので、実に96年間の長きに渡り、世代を重ねて繰り広げられるユダヤ人一族の話が、今回紹介する作品になる。ナチスからの迫害、フランス人からの冷遇を乗り越...[Read More]

Cambodian Rock Band カンボジアン・ロック・バンド

本作品は、1975年から1979年までの4年間で100万~170万人もの死者を出したと言われる、カンボジアの悲劇を描いたミュージカルだ。1975年初頭、共産主義の一派であったクメール・ルージュ運動は好意的に海外に紹介された為、自由で平和な国が造られるならばと各国から応援に駆け付けた知識人は少なくなか...[Read More]

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